• 兵庫県ヤングケアラー・若者ケアラーへの支援を進めるフォーラム  家事や家族の世話、介護など行っているヤングケアラー・若者ケアラーへの支援を進めるフォーラムが9月1日午後、神戸市中央区の県民会館で開催された。
     主催者を代表して齋藤元彦知事が開会あいさつに立ち、「ヤングケアラーは家庭内でのデリケートな問題で、本人が自覚しにくく支援の手が届きにくい。全国的にいろんな活動、支援が講じられているが、県も昨年度から相談窓口を設置した。配食制度も実施するなど全県的な支援体制を構築してきた。今後、支援の輪を広げ、深めることが大事であり、市町、社会福祉関係などの団体との連携を強めたい。フォーラムを通じて問題を共有し、何をすべきか考え、議論を深めたい」と開催意義を語った。
     続いて、濱島淑恵・大阪公立大学准教授が基調講演を行った=写真。必要な支援として相談窓口の設置やケアから離れられる交流の場づくり、頼れる大人が身近にいることなどを挙げた。その上で、正しい理解を進め、多様な職種が共通認識を持てる周知・啓発の大切さを訴え、連携の仕掛け、仕組みづくりを求めた。
     引き続き、県福祉部、県社会福祉士会の担当者が事業の実施状況などを報告した。中で、県が昨年6月1日に設置した相談窓口に今年5月末までの1年間で延べ327件の相談が寄せられ、相談対象となるヤングケアラーの年代は中学生25.0%、社会人24.1%、小学生23.1%の順に多いことが報告された。
     この後、尼崎市、猪名川町、神戸市の担当者が事例をパネルディスカッションで紹介した。ヤングケアラー同士が語り合うことができる場の提供や、訪問支援事業などの取り組みが説明された。今後の展望、課題として詳細な調査の実施、中長期的な影響の分析、早期発見・支援に向けた関係機関との連携の必要性などが指摘された。