-
齋藤兵庫県知事が令和7年「年頭あいさつ」
令和7年仕事はじめの1月6日、兵庫県公館で齋藤知事が年頭あいさつを行った。ます、「昨年11月に知事として2期目のスタートとなりました。改めて、知事不在の50日間、県政を支えていただいた皆さまに感謝を申し上げます。職員の皆さまが本庁のみならず出先機関、様々な場面でご尽力いただいたことだと思います。今後も共に思いを共有しながらワンチームで県政を前に進めていきたいと考えています。大切なのはコミュニケーションです。これからも引き続き幹部職員の皆さんとコミュニケーションをとらせていただくとともに、中堅や若手職員の皆さんとの対話の場を充実することで、風通しのよい職場づくりを進めます」と協力を求めた。
そして、1月17日で阪神・淡路大震災から30年の節目を迎えることから、「復旧・復興に尽力してこられた皆さまをはじめ、ご支援をいただいた全ての方々に敬意と感謝の意を申し上げます。発災時、私は高校生で愛媛県松山市で暮らしていました。ふるさと神戸が地震に見舞われた一報を得て、電話がつながらないこともありまして、大変不安なやりきれない思いを抱えました。その後、休暇をいただいて実家に戻った時に神戸の街並みが大変の被害を受けていたことを鮮明に覚えています。実家でやっていたケミカルシューズをはじめ、産業、中小企業に多くの被害を受けました。高校を卒業して神戸に戻り、その間、県民の皆さんが一丸となって復興に取り組んでこられました。その時期に神戸で生活した経験は、その後の私の歩む道を方向付けるきっかけとなりました。東日本大震災の経験とあわせて私自身の災害対応に対する根幹になっています」と振り返り、「30年経つと世代が入れ替わります。記憶は風化すると言われています。この間、職員、全ての皆さんが歩んでこられた創造的復興の道のり、そして、経験と教訓をしっかりと次の世代に伝えていくことが重要です。1月17日にはひょうご安全の日のつどいを開催します。また、万博開催中の9月には国内外の被災地の方々の参加を得て創造的復興サミットを開催することにしています。震災後に入庁された方が約7割を占めることで、改めて復興の歩みを振り返り、災害時に何をすべきがそれぞれの役割を確認することが大事です」と訴えた。
さらに、「防災庁の設置に向けた国の検討も加速しています。兵庫県としては関西広域連合とともに防災機能の双眼構造を確保するために、関係機関が集積する神戸近辺での設置を要望してまいりました。本県が全国の災害対策に果たした役割をしっかりと発信することが大切だと思っています。神戸の人と防災未来センター、三木の広域防災センターなどの施設で研究や人材育成、そして、関西広域連合のカウンターパート方式による被災地支援の総括など全国の防災・減災の底上げの取り組みをしっかりと発信し、兵庫県における防災庁、関西における防災庁設置に向けた取り組みをしっかりと進めていきます」と意欲を示した
-
「兵庫の未来を切り開くチャレンジの一年に」
また、昨年スタートした若者・Z世代応援パッケージについては、「今回の知事選挙などを通じて高校生、大学生など若い県民の皆さんを中心に多くの皆さんから好意的なプラスの評価をいただきました。職員の皆さんが部局横断的に連携し、着実に進めていただいたからです。未来を担う若者の様々な生活などの不安を払拭し、一人ひとりが夢に挑戦できる兵庫県を目指し、パッケージの充実を図ることが大事だと考えています。来年度の予算編成に向けて既に議論を行っていますが、継続して若者をはじめとした全て県民の思いに耳を傾けてニーズに応える施策の推進を図っていただきたいと思っています」との考えを述べた。
万博については、「残すところ100日を切り、3カ月あまりで開幕となります。多くの方が関西を訪れる機会をとらえて兵庫の魅力を国内外に発信することが重要です。ひょうごフィールドパビリオンの取り組みも3年目になります。200を超えるプレーヤーの方に参加していただき、地域に来ていただけるのかという声、うまくいくのかという声は当初ありましたが、取り組みを進める中で多くの皆さまが自分たちの取り組みを広く発信したいと、240を超える認定プログラムとなりました。認定プログラム同士が連携する取り組みも生まれています。フィールドパビリオンはゴールではございません。誘客、経済効果の創出とともに兵庫に暮らす子どもたち、県民の方々がシビックプライドということで地域にこんな素晴らしいものがあると知っていただきたいと思います。万博後も持続可能な形で地域づくりの原動力として発展させていきたいと考えています」と語った。
そしれ、「こうした各種の取り組みを推進するためには、しっかりとして行財政基盤の構築が必要です。分収造林事業、地域整備事業、公社等の見直しなどこれまで手がつけることが出来なかった分野に丁寧に調整を行いながら対応しなければなりません。県庁舎の整備についても防災機能、働き方改革を踏まえて検討を行っていきます。1号館、2号館の耐震不足があるので職員の安全確保を図りながら、コンパクトでスリムな庁舎の整備をしっかりと進めていきたいと思っています」と方向性を示した。
最後に、「今年は巳年です。蛇は脱皮をして強く成長する生き方ですから古代から再生や永遠の象徴ともされています。新しい挑戦や変化に対して前向きな姿勢を示す年ともいわれています。これまで3年間、県民、職員の皆さんとともに子育て、医療、介護、産業基盤の強化、有機農業の推進など新たな展開、道路、河川などインフラ基盤の構築、スポーツ、芸術文化の振興など様々な分野での取り組みを積み重ねてきました。こうしてまいてきた種が今、育ち少しずつ実を結んできたところです。これをさらに大きく育てていく必要があります。これまでの歩みを止めることなく皆さんとともに兵庫の未来を切り開くチャレンジの一年としたいと考えています。令和7年度の当初予算編成も佳境を迎えます。健康に留意しながらともに頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」と呼びかけた。