第355回定例県議会21日開会   斎藤知事に初の議会洗礼、「県政刷新」の方針打ち出し 斎藤元彦氏が、第55代兵庫県知事に就任して1か月半が過ぎた。「県政刷新」を旗印に掲げる43歳の若きリーダーの取り組みと手腕に県政内外の熱い視線が注がれている。
コロナ禍での緊急事態宣言の発出など、その対応策にかかり切り状態が続いており、「斎藤色」が鮮明に出てくるには至っていない。しかし、コロナ対策における病床数の増床の打ち出しなど、また、知事選で掲げた公約実現に対応していくための知事直轄組織としての「新県政推進室」の設置、また、9月7日には公約実現のための各部ヒアリングを開始するなど助走にスピード感は増しつつある。
こうした中、第355回定例県議会が開会する。当初、8月中に臨時議会を予想する向きもあったが、結局、定例会がぶっつけの本番となった。県議会各派の知恵を凝らし論陣が注目される。
現在の県議会の基本的な勢力構図は、知事選で斎藤知事を支援した自民党兵庫(内藤兵衛幹事長、13人)と維新の会(徳安淳子幹事長、8人)が”知事与党“的な立ち位置にあり、対抗馬の金澤和夫前副知事を推した自民党県議団(小西隆紀幹事長、32人)、ひょうご県民連合(上野英一幹事長、13人)が”野党的スタンス“にあると見られている。
また、公明党県議団(伊藤勝正幹事長、12人)は、知事選では自主投票としたことから、旗色は鮮明ではないとされる。
しかし、選挙での姿勢はともかく、各党とも、第一義はいうまでもなく「兵庫県民の福祉向上」であり、斎藤知事が打ち出す政策について文字通り是々非々で対応するのは当然のことである。
定例議会では、自民、県民連合、自民兵庫、公明、維新の5会派が代表質問に立ち、一般質問には15議員が登壇する。斎藤知事にとって、初の議会での洗礼となる。冒頭の知事提案説明が所信表明であり、これを受けて、代表・一般質問に移るが、各派の質問内容が興味深い。
中では、コロナ禍の収束に向けた取り組み強化が問われることになりそうだ。斎藤知事は、就任後、8月末には、「県立学校の感染防止対策」、保健所の体制強化、自宅療養・待機者対策などを盛り込んだ「第5波への対策パッケージの強化」を発表している。さらに9月に入り、感染者対応・保健師確保調整担当の部参事の設置、宿泊療養施設の約2千室の確保、病床数を120増床すると明らかにしている。
また、県政刷新への体制づくりと方針にも関心は強い。斎藤知事は、知事直轄の司令塔として新県政推進室を設置した。「県政刷新の指令塔であり、官房系職員を横串しに改革マインドにあふれた意欲的な職員を起用した」と趣旨を説明、室長に部長級を起用、推進室次長に局長級、推進参事に課長級、各5人を充てた。
新県政推進室はタスクフォースで来年3月が目途とされているが、令和4年度の組織改正、特別職を含む人事配置にも影響を及すだけに、その意図するところを質すものと予想される。
このほか、公約の主たる要素である行革の肝となり、同時に、斎藤知事が指摘する県の貯金・財政調整基金の捻出にも関係する行財政運営方針の見直しについても論戦が展開されそうだ。
定例議会中に特別委員会の設置、12月には見直し1次案、2月には最終案のとりまとめ、3月末には議決が予定されている。見直しの内容をはじめ井戸県政のもとで行財政構造改革に対する評価についても見解が求められよう。
県議会各派にとって、知事選での経緯は種々あるが、めざすところは県民の暮らしを守ることにあり、そのためのサービス向上にある。その意味で、手法、路線の選択に違いがあっても、各派とも方向と目標を同じくする建設的かつ活力にあふれる論戦を期待したい。