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兵庫県庁で播州織PR・展示即売会 知事と産地デザイナーが魅力アピール
兵庫県を代表する地場産業の一つで西脇市・多可町など北播磨地域が産地の「播州織」をPRする展示即売会が6月29日、兵庫県庁1号館1階ロビーで行われた。色鮮やかなシャツやストールなど様々な製品が並び、来庁者や職員らが手にとって、産地の人たちの伝統の技と誇りを感じながら買い求めていた。(主催:西脇商工会議所、県北播磨県民局)
展示即売会に先立ち、播州織の盛り上げに取り組む若手デザイナー3人と齋藤元彦知事によるトークセッションも行われ、2025年大阪・関西万博にあわせ全県展開を目指す「ひょうごフィールドパビリオン」としての高い可能性をアピールし、国内外への発信に向け、意気込みを語り合った。
播州織は200年以上前、江戸時代中期に京都西陣の織物技術を導入して始まった。自然な風合いと豊かな色彩、肌触りの良さが特徴で、綿の先染織物として70%以上のシェアを誇る。
近年は、海外製品の流入により、生産量が減少傾向にあるが、織機の改良、最先端の織柄づくり、多様なデザイン、ブランド力の強化など、世界に誇る播州織の再活性化へ積極展開を図っている。
トークセッションでは、まず、齋藤知事が「播州織は兵庫が日本、世界に誇る地場産業。私も何着かもっているが、独特の肌触りとフィット感がいい」とPRし、「生産量は厳しいが、播州織の発信により、西脇に若いクリエイターが滞在し、新しい取り組みを行っている。ひょうごテロワール旅を展開しているが、産地を訪れ、学び、知って、買っていただきたい。万博のフィールドパビリオンとしても発信していく」と訴えた。
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世界に誇る地場産業の発信へ意気込み
続いて、齋藤知事によるインタビュー形式で進行。播州織の特徴や工場・職人の技術を生かしたデザインのオリジナルブランドを提案・販売している大塚美智代さんは「産地の面白さをもっと知ってほしい」、地元企業の大城戸織布に入社し、職人として働く穐原真奈さんは「分業でなく全工程を自らの手で行っています。直接お客さんとやりとりすることが、仕事のやりがい。生地は良くても作る人がいなくなれば産地はなくなる。作り続け、歴史あるものを残したい」と技を伝承する思いを語った。
東播染工株式会社の足立直人さんは、大阪の専門学校とのインターン制度の提携等の取り組みを紹介し、「地元に愛される企業になって、ここで働きたい若者を増やしたい」と述べ、「美味しい食べ物など、いろんな魅力がるので産地に遊びにきてほしい」と訴えた。
最後に齋藤知事が「播州織のファンになっていただき、その輪を共に広げていこう」と呼びかけた。
昼休みには多くの県職員らも訪れるなど、色とりどりで多彩な播州織の商品を産地の人たちの説明を聞きながら見て、触れて、買って楽しんでいた。