• 課題を抱える妊産婦の就労等支援で 県社会福祉法人経営者協議会と県が協定締結式  県では、予期せぬ妊娠など支援の必要性の高い妊産婦への支援を強化することにし、令和3年度2月補正予算で3,500万円を計上、2月定例県会で可決した。相談から生活、住居、就労など総合的に支援する体制を整えたもの。
     産後の自立した生活に向けて、働く場の紹介などを行うことにしており、このほど、県社会福祉法人経営者協議会と協定を締結することで合意、3月11日午前、県庁で協定締結式が開かれた。
     協定に基づき、県と同協議会は連携して課題を抱える妊産婦に、社会福祉施設等での就労支援にと取り組む。
     令和3年8月に公表された国の報告では、心中以外の虐待死で実母が妊娠期・周産期に抱えていた問題は、「予期しない妊娠/計画していない妊娠」「妊婦健康診査未受診」が 35.1%で最も多く、また、県が「妊娠SOS相談事業」を委託している団体には、平成 30 年9月から令和3年8月までの3年間に、全国から22,000 件弱の相談が寄せられ、その中には、予期しない妊娠等によって、その後の生活に困難な課題を抱える妊産婦も少なくないという。
     このような現状から、齋藤知事が一般社団法人「小さないのちのドア」など支援団体・機関と意見交換し、プロジェクトチームを立ち上げ、協議の結果、必要な支援策を強化することにした。
     まず、SNSを活用し、窓口周知の強化に取り組む。
     生活面では、支援の必要性の高い妊産婦を受け入れる生活の居場所を提供し、心理的ケアや生活相談支援等を行うとともに、自立に向けた支援計画の策定や関係機関等の調整を行う。
     さらに、県営住宅の「同居親族があること」という入居要件を見直し、妊娠中の女性が単身でも入居できるよう制度を改め、見守り支援を受けながら、自立を目指すステップハウスとして活用する。
     締結式では、同協議会の谷村誠会長と齋藤元彦知事が協定書を交わした。
     齋藤知事は、「経済的に自立する仕組みが重要。協議会の協力で個別の状況に 配慮し、就労の場を提供してもらえることに感謝している。生活支援も実施してもらえるとのことで、とても心強い。誰も取り残さないSDGsの取り組みの一つであり、協定締結を機に福祉サービスの向上に一層努める」と語った。
     谷村会長は、「就労とともに、生活面全体のサポートをできるように努力する。いろんな課題を抱えている方は沢山いる。県と連携してしっかりサポートしていきたい」と述べた。