井戸知事最後の定例県会閉会 「兵庫への挑戦見守る」
今任期で退任を表明している井戸知事にとって最後の定例県議会が6月9日閉会。全議案議了後、井戸知事は退任あいさつに立ち、「これからのポストコロナ時代の兵庫への挑戦を見守っていきたい」と述べ、「ふるさとは 五国の魅力にみちみちて そこに住む人 幸せつくる」と願いを歌に託した。
閉会を宣告した藤本議長があいさつに立ち、井戸知事の退任について「5期20年、県民との参画と協働を基本姿勢に、県民の幸せ、社会の発展を願って心血を注がれた。創造的復興への道を懸命に開き、のじぎく兵庫国体の開催、県立美術館、芸術文化センターの開館、災害への迅速対応、全国初の総合治水条例の制定など時代を先導する取り組み、そして関西広域連合の設立、行財政構造改革を成し遂げられた。兵庫県設立150年、震災から25年を迎え、さらなる飛躍が期待された時に、コロナの感染拡大で兵庫県は大きなダメージを受けた。そのような中での退任は苦渋の決断だったと思う」と述べ、「ポストコロナを先導する取り組みを新しい時代に引き継ぎ、退任後も兵庫県進展のため尽力していただきたい」と語った。
続いて、井戸知事が登壇。「5期20年、県民目線、現場主義を第一に、兵庫の強みと多様な地域資源を活かし、厳しい財政状況においても創意工夫により県民ニーズに応えていくとの決意で取り組んできた」と振り返り、大震災からの創造的復興、行財政構造改革、風水害など自然災害からの復興安全対策等をあげ、「県政の直面する課題に向き合ってきた。財政状況は厳しくとも他地域にはない特色ある施策や未来への投資も積極的に行った。この1年はコロナとの闘いに追われた。時代は平成から令和へと変わり、新型コロナウイルスによる急速な社会の変化など大きな時代の変化のさなかにある。経済の再生、デジタル化への対応、変化に強い産業構造の転換、地方回帰を促す環境整備、南海トラフなど安全安心の構築、人生100年時代の子どもから高齢者までの生活の充実、温暖化対策など、喫緊の課題が待ち受けている。コロナ禍にあっても未来を見据え、その先にある兵庫の姿を描き、こうした課題の具体化への道筋をつけねばならない。県民とともに新たな兵庫づくりへ果敢に挑戦していくことが必要であり、まさに、ポストコロナを先導する兵庫モデルを築くことを期待する」と訴えた。
そして、改めて、これまでの協力と理解に感謝の意を表したうえで、「幼い頃、故郷の揖保川で川遊びをしたり、水泳をしたりした原風景が思い出される。皆一人ひとりにこのような特別な心安らぐ風景を持っているのではないか。このような思い出の礎となる五国の多様な地域資源や魅力に溢れる兵庫らしさは、県民が共有するかけがえのない財産。兵庫への誇りと愛着はこれからも共に、いつまでも持ち続けたい。また、持ち続けて欲しい。県政150年、先達の歩みにより築かれ、多様性と個性に溢れ魅力ある兵庫。県民が主体的に自立しながら活躍する活力ある兵庫。日本や世界をリードする力強い兵庫。こうした姿を思い浮かべながら、これからのポストコロナ時代の兵庫への挑戦を見守っていきたい」と語った。
このあと、藤本議長から花束を受け取り、兵庫県の歴史を刻んできた議場をあとにした。