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活動報告会~豊かで美しいひょうごの海をめざして~ 里海づくり、魚の地産地消の取り組みを発表
「活動報告会~豊かで美しいひょうごの海をめざして~」が3月17日午後、神戸市中央区のラッセホールで開かれた(主催:兵庫県。共催: 瀬戸内海環境保全協会、ひょうご環境創造協会、ひょうご環境保全連絡会、ひょうご豊かな海発信プロジェクト協議)。
ひょうごの海をフィールドに活動する6団体の代表が、里海づくり、海ごみ対策、地元の魚の美味しさを広める取り組みなどを紹介し、会場・オンライン参加者らとともに「豊かな美しい海」について考え、発信した。
まず、神戸大学内海域環境教育研究センターの川井浩史特命教授が基調講演。海の森といわれる「藻場」は、生き物を育む大切な働きがあることや、地球温暖化防止に貢献する「ブルーカーボン」としても注目されていることを解説した。
続いての活動報告では、相生湾自然再生学習会議の松村晋策代表が、海のゆりかご「アマモ場」の再⽣や県絶滅危惧種Aランク「塩⽣植物シバナ」の保護活動などに子どもたちとともに取り組んでいることを紹介。海岸の清掃、プラスチックごみ回収も行っており、「小さくなった発泡スチロールは改修不可能。最近はマスクも多い」と報告し、「生活の見直しが必要」と訴えた。
須磨⾥海の会の吉⽥裕之会長は、須磨海岸での砂浜⽣態系の再⽣保全活動、環境学習イベントの取り組みを説明した上で、「後継者づくりへ若者の参加が課題」と語った。
県⽴尼崎⼩⽥⾼等学校サイエンスリサーチ科の生徒5人は、学校近くの海や川に緑⾊のマイクロプラスチックが多いことから、その原因を調査。その結果、学校の人工芝の⽞関マット川へ流れ、海岸に漂着していると考察した。生徒たちは「これからも調査研究を行い、マイクロプラスチックの削減方法を考えたい」と目標を示した。
県⽴⾹住⾼等学校海洋科学科・アクアコース・シーフードコースの生徒4人は、カヤックを使った海岸の清掃活動や、ラムサール条約登録湿地「円⼭川下流域」で⽣息する⿂類についての調査活動などを発表した。未利用魚で漁師を困らせているナルトビエイの⽸詰を開発、商品化に成功した秘話を解説。「その他の未利用魚も有効活用できるよう、商品化に向けて努力する」と意気込みを語った。
明⽯浦漁業協同組合の戎本裕明代表理事組合⻑は、美味しい⿂介類が育つ環境づくりのために行っている「海底耕耘(こううん)」や「ため池のかいぼり」について報告。国が主催するコンテストで農林水産大臣賞を受賞した海底耕耘の活動を紹介する動画を上映し、「11月に明石市で開催される全国豊かな海づくり大会兵庫大会で、兵庫県の取り組みを全国に発信し、漁業者が取り組む豊かで美しい海づくりを広げていきたい」と述べ、協力を呼びかけた。
⽣活協同組合コープこうべ第6地区本部マネジャーの⻘木陸氏は、県漁連と協働して取り組む「ひょうごの地⿂推進プロジェクト」での地産地消の活動を報告。「漁獲量の回復とともに、消費を拡大させなければならない。そのためには日本の食文化を継承することが大事。地元の魚を食べて、豊かな海づくり、魚食の普及に取り組んでいこう」と訴えた。