• 斎藤知事 提案説明キーワードで読み解く  これまでの間、議会各派の受け止めは、総じて「安全運転」「無難なスタート」と表する向きが多くを占めており、お手並み拝見の雰囲気が漂う。
     一方で、記者会見における最後まで質問を受け付ける姿勢や第一線に足を運ぶ現場主義には、評価の声が聞かれる。
     こうした中での初の提案説明。平易な表現の中に、意欲と配慮が滲む所信となった。そこで、キーワードで読み解いてみた。
     中では、「教育は県の礎」「県民との信頼は県政の基(もとい)」といった表現を使い県政理念の要諦を問いた。
     スローガンであった「躍動する県政」を「私の使命」とし、「大切なのは挑戦」「試行錯誤の中から未来への扉を開く」と「刷新」を強調した。
     3つの基本姿勢、第一の「開放性を高める」では、「内向きの発想」、「行政の自前主義」を戒め、第2の「誰も取り残さない」では、SDGsの理念に結びつけた。 
     そして第3の「県民ボトムアップ型の県政」では、「これまでの(井戸)県政の基本姿勢である『参画と協働』と軌を一にする」と語り、“守るべきものを守る”柔軟な方針を示すとともに、「現場に積極的に赴き」「県民との対話」と現場主義の徹底を宣した。
     県政の基本政策でも、現場主義を重視、「グリーン産業の創出」などの産業構造の転換、災害リスクへの備え、「待機児童の解消など保育の受け皿」、「学生未来会議の立ち上げ」、「スマートシティモデル地区の形成」など新機軸でポストコロナをにらんだ。
     また、県政運営については、「(財政調整基金の積み上げなど)財政基盤の強化」を挙げ、次いで「会議運営の効率化」「公民連携のプラットフォームの設置」を例示し、「仕事の進め方を見直す」とした。

     開会日には行財政運営調査特別委員会が設置された。行革の見直し内容をはじめ井戸県政のもとで行財政構造改革に対する評価についても見解が求められよう。県議会各派にとって、知事選での経緯は種々あるが、めざすところは県民の暮らしを守ることにあり、そのためのサービス向上にある。「是々非々」の関係は共通するが、その手法、選択に違いがある。斎藤知事の所信表明を踏まえ、未来をひらく建設的かつ活力にあふれる論戦こそ・・・