• 令和4年度第1回「兵庫県地域創生戦略会議」  兵庫県地域創生戦略会議の令和4年度第1回会合が8月4日午後、県庁で開かれた。各分野を代表する有識者ら17人で構成し、2020~2024年度を計画期間とする第二期県地域創生戦略の中間見直しについて議論した。
     県では少子高齢化や人口減少、東京一極集中の是正等の構造的な課題に対応し、将来にわたり活力ある地域社会を構築していくため、2015年3月、全国に先駆けて県地域創生条例を制定、同年に第一期戦略を策定し、取り組みを進めてきた。
     第二期戦略は、今年3月に策定された県政の新しい基本指針「ひょうごビジョン2050」の最も総合的な実行プログラムに位置づけられている。
     会議の冒頭、齋藤元彦知事は、「コロナ禍で方針を定める上での前提が変わってきている。3月に新しいビジョンを策定したが、ポストコロナを見据えた県政として『包摂』と『挑戦』を一つの方向として進める。これらの新しい要素を地域創生戦略の中に取り入れたい」と見直しの目的を説明した。
     その上で、「兵庫県に人・モノ・投資・情報が集まる社会構造にする。さらに、安心して結婚、出産、子育てができる環境整備を進める。地域の維持、発展のための安定した取り組みとともに、躍動した取り組みを進める」と述べ、活発な議論を求めた。
     続いて、座長に田林信哉Satoyakuba代表を選出し、齋藤知事が検討依頼文を手交した。
     意見交換では、「施策・事業の主語を『県が』『市町が』ではなく、『県民が』に変える意識を」「県に戻りたい人は多いが情報が届いていない。広報にもっと力を入れるべき」「地域の誇りを指標化してはどうか」「地方こそ国際化し、田舎のグローバル化を発信すれば明るい将来が見える」といった意見があった。
  • 第二期戦略見直し協議 自然増へ思い切った対策を  経済界の代表からは自然増対策への思い切った取り組みが求められた。県経営者協会の三原修二会長は「少子化対策にどれくらいお金をかけているかが不明瞭。社会増対策は人の奪い合いだが、人口は現実的に減っている。人に対する予算の使い方をオープンにして県民に分かりやすく伝えるべき。男女の出会い支援にお金をかけてもっと努力してほしい。平成30年から言っているが変わっていない」、神戸商工会議所の尾野俊二副会頭も「同じ議論ばかりしている。子育て支援拠点の設置など思い切った施策が必要」、県信用金庫協会の作田誠司会長は「事業展開にメリハリを」と訴えた。
     関西学院大学経済学部の上村敏之教授は「新しいことをするには財源が必要であり、それとあわせて考えるべき」と提案した。
     田林座長は「包摂社会をめざしているメッセージを打ち出したい。戦略の中で県の役割を明確化する」と議論の方向性を示した。最後に片山安孝副知事は「人口減少対策にクリーンヒットはないがやるしかない。成果が見えるよう取り組んでいく」と語った。