斎藤知事初の当初予算編成へ 兵庫県各会派が重要政策提言 新しい兵庫の創造へ、新知事と議会との政策協議が始まる
兵庫県議会各会派は9月15日、斎藤元彦知事にとって初めての当初予算編成となる令和4年度予算への重要政策提言を行った。自由民主党(32人)、ひょうご県民連合(13人)、自民党兵庫(13人)、公明党・県民会議(12人)、維新の会(8人)、日本共産党(5人)の順で県庁3号館大会議室で各派幹事長らが提言書を斎藤知事に手渡した。冒頭には(井戸前知事から恒例となっている)提言書を手にした知事と議員との写真撮影(井戸前知事いわく儀式)を行い、幹事長、政調会長、分野担当議員らが提言内容を説明、斎藤知事は時間の許す限り、提言についての見解を述べた。就任後、初めて斎藤知事の姿を生で見たという議員も。各会派が主張するコロナ危機の克服、新しい兵庫の創造へ、新知事と議会との政策協議が始まった。
7月の知事選での各派のスタンスはそれぞれ。最大会派の自民と第2会派のひょうご県民連合は金澤和夫前副知事を推し、県政刷新をめざして自民党から独立した自民兵庫、そして維新の会が斎藤知事の誕生を支えた。公明は自主投票とした。
「新しいリーダーとなった今、県政を停滞させることなく推進させ、県民とともに総力を結集し、総合的なコロナ対策をはじめ、様々な政策課題に真摯に取り組み、一つ一つ、着実に成し遂げていくことが、『WE LOVE HYOGO ~みんなで創る兵庫の五国~』の実現につながる」と自民は政策提言冒頭で主張。「 五国の特性を生かした兵庫創り」など6項目を最重点に48項目を提言した。
ひょうご県民連合は「『県民の参画と協働』や『地域の自主性』『五国の均衡ある発展』など、継承すべき点は確実に継承しつつ、既存事業の積極的な見直しや、コロナ収束後の目標を示す明確なメッセージの発信など、県政の変革も求められる」として、10 テーマ計106項目を申し入れた。
自民兵庫は、「若きニューリーダーの齋藤知事と議会が県政を担う両輪となって、コロナ禍を収束に導き、創造的復興を果たしていかなければならない。そのためには、兵庫県を変えてほしいと願う県民一人一人の思いを基本にして、急速に進む時代の変化に臆することなく、停滞感や閉塞感に風穴を開け、県境を越えた取組や近隣府県との連携強化など新しい発想を持ってチャレンジしていくことが必要」と訴え、最重点4項目をはじめ、計35項目を提言。「『躍動する県政』を県民と共に実現を」と申し入れた。
公明は、「兵庫はかねてより五国という多様な地域が、バランスを保ち発展してきた背景を持つ県であり、阪神・淡路大震災などの困難を互いに支え合いながら乗り越えてきた歴史を持つことから、県民生活に直結する事業の水準を低下させることなく、それぞれ地域の強みを活かしながら、事業の再構築を粘り強く推し進めていただきたい」と求め、「ポストコロナ時代の自立分散型社会を目指す地域創生戦略の見直し」などを提言した。
維新は、「大阪府で行政経験を積まれた斎藤知事が就任され、任期中には大阪・関西万博の開催という兵庫県と大阪府が連携した発展の好機が訪れる。これを機に兵庫、大阪、そして関西が一丸となって成長を遂げてほしいという県民の期待が膨らんでいる」としたうえで、「旧態依然とした行政機構を刷新し、新しい時代に対応できる行政組織への変革が必要」と、「身を切る改革の実行」などを要請した。
共産は、国政を批判したうえで、「兵庫県においては、コロナで露呈した脆弱な社会保障体制、防災対策、教育環境など、県民の命・暮らしを県政の最優先課題に」と求めた。
また、無所属議員2人も重要政策提言を行い、「安心できる福祉社会の構築」「必要な社会基盤施設の整備と充実」などを申し入れた。
各派重要政策提言は県議会ホームページ(https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/giinshokai/katsudo/teigen.html)に掲載されている。