• 分裂自民、正常化へ前向き対応  末松新県連会長「結束と前進」を強調  支持者らは、安堵の声も  兵庫県知事選での候補者推薦をめぐり2会派に分裂していた県議会自民党は、正常化へ向けた雰囲気が見え始めた。
     8月7日午後、神戸市内で開かれた「県連大会に代わる総務会」で、末松信介県連会長が「衆院選など重要選挙に結束と前進で立ち向かう」と挙党体制づくりを強調、また、藤田孝夫県連幹事長は「一刻も早く(分断を)収束させ、課題解決に果断に立ち向かう」、内藤兵衛県連政調会長も「分裂に悩んでいる団体もあり、前向きに進める姿勢を示す必要がある」とそれぞれ関係修復を期し一丸体制づくりを呼びかけた。
     両会派は、6月議会での正副議長選挙で共同歩調を取った経緯もあり、この日の発言を受けて「一刻も早い関係修復、正常化を期待する。それが支持者の願い」との感想が聞かれた。
     知事選では、金澤推薦とした県連選対の決定が、国会議員団によって斎藤推薦に覆ったことから、異論が相次いでいた。この日、谷公一前県連会長は「選対、党紀委員会に国会議員が入っていない。あり方について検討を」と提起、これに対して末松会長「県連として何ができるか検討したい」と応じる姿勢を示した。
     知事選での意思決定の手続きについて、党推薦を得た斎藤元彦・元大阪府財政課長を推す自民党兵庫(13人)と金澤和夫前副知事を担ぐ自民党県議団(32人)に分裂、選挙期間中などの「党紀違反」行為について水面下でのさや当てが続いていた。
     混乱の責任をとる形で谷公一氏は、知事選投票日の18日に、総務会での県連会長辞任を表明していた。一方、県連では、18日以後党紀委員会を開き、金澤支援に回った県議団32人のうち、2連ポスター掲示等の顕著な違反行為があったとされる17人に事情事聴取を行った。その結果、金澤選対の本部長を務めた山本敏信県議の1年間県連役職の停止、16人に厳重注意の処分を決めた。
     これは、双方のトップが責任をとるいわば痛み分けの格好であり、「ノーサイド」への環境整備の一歩を受け取る見方の一方、処分内容について不満を唱える向きもあり、一部に懸念を示す観測もあったが、今後を見据えた大人の対応に安堵の反応が見受けられた。