• ひょうごTECHイノベーションプロジェクト キックオフイベント  テクノロジー(TECH)を活用して地域課題・社会課題を兵庫県内の自治体と企業、起業家らが連携して解決に取り組む「ひょうごTECH(テック)イノベーションプロジェクト」の令和5年度の採択事業が決定し、9月22日午後、神戸市中央区の起業プラザひょうごでキックオフイベントが開かれた。
     県が昨年度から実施しており、昨年度は6つのプロジェクトを実施。例えば、新温泉町では学校敷地内での鳥獣被害対策を求めたところ、神戸市内の企業が超音波を出す装置を設置したところ効果が確認できた。今回の成功例を踏まえ、販路拡大をめざしている。
     2回目となる今年度は8つのプロジェクトが決定。キックオフイベントでは、課題・テーマを提案した自治体の職員、採択事業者らが参加した。
     まず、主催者を代表して齋藤知事が開会あいさつに立ち、「昨年度は6つのプロジェクトを実施し、大きな成果と反響があった。全国で同じような課題を抱える中、今までと違う切り口で解決するのがこの事業。地域社会に根差したシリアスな課題に対して失敗を恐れず挑戦してもらいたい。失敗しても成長がある、それを県内でシェアしたい。大いなるチャレンジに期待している」と激励した。
     続いて、課題・テーマ等を提案した自治体の職員がその内容を説明し、採択事業者が解決手法を発表した。概要は次の通り。(カッコ内は自治体名及び採択事業者名)
  • 地域課題・社会課題を兵庫県内の自治体と企業、起業家らが連携して解決  自治会の担い手確保、若い世代の加入促進(芦屋市):自治会活動を含めた非営利な活動を行うことで「アクトコイン(ポイント)」が付与され、市民を行う「非営利なこと」を「見える化」する。アクトコインを貯めるゲーム感覚を通じ参加促進に繋げる(ソーシャルアクションカンパニー株式会社)
     食料提供者と消費者とのマッチングによるフードロスの削減(高砂市):店舗で売れ残りそうな商品の値引きセール等を情報発信する特定エリアに特化したアプリなど食品廃棄を減少させる仕組みを開発(CiPPo株式会社)
     障がいがある人も含めた「みんな」で楽しむエンタメ体験の実証(三木市):最新のデザインやテクノロジーを兼ね備えたプロダクト等を実際に見て、触って、体験できる機会と、映画や音楽などのエンターテイメントと掛けあわせたイベントを開催予定(NPO法人ピープルデザイン研究所)
     積雪地域における道路の路面標識等の長寿命化(朝来市):特殊技術である路面標示材「エステルライン」と、今回の実証により新たに試みる「路面を掘り下げて施工」することにより、路面標示の長寿命化を検証(テック鬼城株式会社)
     消防団活動の担い手確保(明石市、県危機管理部):消防団専用防災アシストアプリを試験的に導入し、火災情報や団員・車両の状況を迅速に把握し、行動の最適化・効率化が可能か検証(バーズ・ビュー株式会社)
     放置竹林の竹を有効活用(淡路県民局):竹の伐採から舗装作業まで全て地元の事業者と連携し、防草効果のある竹の舗装「バンブーぺイブ工法」を行う。持続可能な竹ビジネスモデルの可能性を検証(リーフエア株式会社)
     特殊詐欺対策の推進(県警本部):特殊詐欺水際阻止協力の店に対して、特殊詐欺の予兆電話を検知次第、ショートメッセージサービス(SМS)とオートコールで特殊詐欺の注意喚起を行い、被害を未然に防ぐことができるかを検証(メディアリンク株式会社)
     結婚を前向きに考える未婚者への支援(三田市):市民への調査で婚姻率低下の課題や要因を分析。課題に即したイベントを実施し、参加者には開発中のカップル間コミュニケーションメディアの登録を促進することでパートナーシップを育み続ける機会を提供(フタリノ株式会社)