• ひょうごプレミアム芸術デー  7月9日から7日間 無料開放やイベント  県内の芸術文化施設を無料開放する「ひょうごプレミアム芸術デー」。3回目となる今年度は7月9日から15日までの1週間にわたり、過去最大の103施設が「フリー」となり、様々なイベント・ワークショップ等も行われた。
     芸術文化・歴史・自然に関する展示や体験を気軽に広く、多くの人に楽しんでもらうねらい。1年目は9つの県立芸術文化施設のみでの開催だったが、2年目には市町や民間にも参加を呼びかけたところ、県内全域89施設で実施され、今回はさらに増えて103施設が参加。また、子どもから高齢者、赤ちゃん連れのお父さん・お母さん、障害がある人らが楽しめ、鑑賞しやすい環境づくりの取り組みとして一時保育の実施や手話通訳付き解説会なども一部の施設で実施した。
     初日の9日午前、HAT神戸の県立美術館ではオープニングイベントが開かれた。まず、今年3月30日、県と「芸術文化振興に関する協定」を締結した神戸女学院大学音楽科の学生が歌声を披露。同館ではアニメーションディレクター等として活躍する安彦良和氏の回顧展を開催中で、安彦氏の代表作の一つ「機動戦士ガンダム」に因んだ曲などを歌い、開幕を彩った。
  • 芸術文化の裾野を拡大 心の復興に果たす役割を発信  続いて開会あいさつに立った県の木村晶子県民生活部長は、「今年度で3回目。多くの方に芸術文化にふれていただきたい。来年1月で阪神・淡路大震災から30年を迎える。芸術文化が震災で傷ついた心を癒し、創造的復興の原動力となった。芸術文化の素晴らしさをさらに発信していきたい」と訴えた。
     来賓の谷井いさお県議会副議長は「芸術文化は人の心を豊かにする大切なもの。震災から30年。我々は心の復興の大切さ、芸術文化の力を訴えてきた。県議会として芸術文化に取り組む人を応援し、しっかりと前に進めていく」と約束した。
     引き続き、兵庫ゆかりのアーティスト、小松加奈さん、蓬莱奈央さんがマリンバ演奏。「機動戦士ガンダム」のテーマソングなど迫力ある演奏を披露し、会場を盛り上げた。熱気があふれる中、木村部長が「ひょうごプレミアム芸術デー」の開幕を宣言した。
     県立美術館では9月1日まで、今年、喜寿77歳を迎える安彦氏の軌跡をたどる作品や資料を展示する「描く人、安彦良和」展を開催=写真上。日本のアニメ、漫画を世界的に広め、芸術文化として高めた一人、安彦氏の創作活動を堪能できる。