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令和5年度兵庫県当初予算 「対話と現場主義」を具体化
「新時代挑戦予算」と銘打った令和5年度兵庫県当初予算案が発表された。予算規模は総額で4兆2782億円(対前年度当初比0.7%、300億円増)、このうち一般会計は2兆3597億円、新型コロナウイルス感染症対策や中小企業制度資金貸付金の減少などにより、対前年度当初比マイナス1%、236億円下回った。一方でSDGs、脱炭素化、2025大阪・関西万博に向けた取り組みの強化をはじめ、教育への投資として令和5年度は38.1億円、令和10年度までの6年間で総額300億円の事業費を打ち出した。2月7日、予算案を発表した齋藤元彦知事は「新しい時代の兵庫県の原動力をつくる」と、自身2度目となる予算編成に込めた思いを語った。「一番大きいのは教育、若者の応援。新しい力を育むことが大事」と述べるとともに、「現場、当事者の声に意を用いた」と説明した。重点施策の説明の中でも「現場の声」の反映を度々口にするなど、今年度の基本姿勢として掲げた「対話と現場主義」を具体化した予算案となった。
令和5年度予算案は、①新しい時代の力を育む、②人の流れを生み出す、③一人ひとりに寄り添う―の3つの視点で編成された。
7日の会見で齋藤知事は、歳入歳出の概要を説明した後、新年度予算の目玉として「教育投資の強化」を挙げた。老朽化が進む県立学校施設の環境・緊急修繕事業の強化をはじめ、部活動等応援事業を実施。「キレイな環境で学び、スポーツをし、青春を謳歌してほしい。それを県が応援していることを感じてもらい、シビックプライドを育んでほしい。それによって就職などで一旦、兵庫から出ても戻ってきてもらえる」と意義を語った。
さらに中小企業の人材確保を支援するため、若手従業員を対象とした新たな奨学金返済支援制度を創設。就職後5年間は県(3分の2)と企業(3分の1)で全額負担する。齋藤知事は「(5年間は)本人負担がゼロになる。県内就職の起爆剤にしたい」と制度活用に期待した。
重点施策を説明した上で、「予算の執行が大事。事業を回す段階で、現場の意見を聞き、よりよい形にする。問題があれば柔軟に改善する。そのために県民への発信が重要」と述べた。
また、令和10年度までの収支不足総額は255億円となり、前年度の140億円から115億円悪化する見込み。経済成長率の低下や金利の上昇による影響で、齋藤知事は「緊張感をもった行財政運営を行う」と述べ、経済成長の取り組みによる税収増をめざすとともに、ふるさと納税による寄附獲得の強化へ「職員自身がしっかり企業に営業活動をしていくマインドの変化も大事」と訴えた。