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兵庫県庁の新しい働き方の推進に向けた若手職員チームが知事に提言
兵庫県庁の新しい働き方の推進に向け、検討を行ってきた20~30代前半の若手職員チーム14人が提言をまとめ、10月11日午後、県庁2号館13階みどり展望園で齋藤元彦知事に報告、実現の可能性や職員の意識改革などについて意見交換した。
齋藤知事は昨年8月の就任時から職員に働き方改革を求めてきた。知事自ら会議時間の削減などに取り組んできたが、さらなる具体化を図るため、若手職員同士の自由な議論による従来の手法や固定観念にとらわれない柔軟な発想を取り入れるとともに、これからの県政を担う職員自らが働き方を考えることで、意識向上を図ることを目的に検討チームを設置。今年7月14日に初会合を開き、その後のグループ討議や全体会での検討結果をまとめ今回の発表に至った。
提言のコンセプトは「十人十色の働き方」。これを追及することで、職員一人ひとり、県民一人ひとりの「持続的な幸せ」を実現することをチームビジョンに掲げた。
ビジョン実現に向けた取り組みの第一歩は「意識改革の徹底」で、テレワークや育児休業などの働き方をスタンプラリー方式で実施する取り組みや、働き方ガイドブックの策定などを提案。さらに、意識改革をけん引する幹部職員自らが行動指針を決めて実践を宣言することや、職員一人ひとりによる「マイ働き方宣言」の作成などのアクションプランを企画した。
STEP2としてモバイルPCの導入など「テレワークの更なる生産性の向上」、STEP3は県庁舎の改修・建替等に合わせ、部屋の配置を業務に応じて自由にレイアウトするフリーアドレスの導入など「新たな価値を創造するオフィスイノベーション」を提言した。
最後に「意識を変えることは今すぐにでも始められる。職員一丸となってベクトルを合わせ、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら新たな挑戦に取り組み、誰もが最も自分らしく働ける兵庫県庁を作りあげませんか」と呼びかけた。
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「十人十色の働き方」で意見交換会
報告を受けた齋藤知事は「(提言内容を)全部やりたい」と高評価し、「多様性がキーワード。私も今日からペーパーレス化を始めた。自分から行動することが大事。県庁舎のあり方など中長期的なビジョンも含め検討したい」と今後の取り組み方針を語った。
若手チームの職員からは、「何となく考えていたことが、チームに参加し、議論する中で、どんな働き方をすればいいか明確になった。各所属で、ざっくばらんに話し合える機会があれば意識改革につながると思う」「3月に育児休業から復帰した。子ども中心の生活になり、家でもっと仕事ができればいいと思う。テレワークがいろんな職場で広がれば」「意見交換の中で、自分が持っていない知識などにふれ、刺激的だった。このような場が定期的にあれば」と参加した感想を披露した。
齋藤知事は「大事なのは役所の縦割りな世界の中で横の連携を図ること。普段から進めることで多様な部署のバックグラウンドを知り、いろんな気付きやヒントが得られる」「家事・育児をしながら仕事に参画できる仕組みづくりが大事。そのような多様な働き方をしっかり進めたい」と応じた。
また、上司や同僚の働き方改革に関する反応を紹介。「土木事務所などでは現場の仕事が多い。窓口業務も時間や場所にとらわれず働くことは難しい。その中で、少しずつ小さなステップでも出来ることを増やすことが大切」「電子化に不安な職員もいる」との意見に、齋藤知事は「安全安心の肝のところは守る。現場の対応を確立し、効率化できることは効率化する」「不安をもつ世代とのバランスが大事。取り残される職員をフォローしたい」と答えた。
また、「仕事と家庭の両立のために工夫していることは」との質問に、齋藤知事は「出来るだけ早く帰ることを意識し、子どもと遊んだり、食事するようにしている。打合せをダラダラしない。スケジュール管理が大切。知事の仕事はボリューム感があるので、知事の仕事を効率化すれば、みんなが早く帰れる。空いた時間をクリエイティブなこと、プライベートや家族の時間にあてることが理想。そうすれば県庁全体の生産性があがる。仕事の質もあがる。それが県民にとってメリットになる」と語った。
最後に齋藤知事は「提言の実現には実務的な検討や制度を変えることも必要。県庁再整備の課題もある。トータルで、スピード感をもって議論したい。私自身がトライやるする」と働き方改革に向け力を込めた。