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「大阪・関西万博」1000日前記念シンポジウム ひょうごフィールドパビリオンの実現へ議論
2025年の「大阪・関西万博」開幕まで1000日前にあたる7月18日、成功に向けた兵庫県の取り組みをPRするとともに、機運醸成を目指した記念シンポジウムが神戸市中央区の県立美術館で開かれた。
兵庫県では、万博を契機に創出される活力を取り込むため、県土全体をパビリオンに見立て、SDGsを体現する「ひょうごフィールドパビリオン」を展開することにしており、シンポジウムでは齋藤元彦知事が基調講演を行い、この取り組みを説明。引き続き、齋藤知事と各分野の専門家らが「フィールドパビリオンの展開による地域活性化」をテーマに意見を交わした。また、万博での実用化が期待されている「空飛ぶクルマ」の機体展示も行われ、関心を集めていた。
講演で齋藤知事は、持続可能でよりよい世界の実現に向け、世界共通の目標であるSDGsの視点の重要性を強調し、2025年30周年を迎える震災からの創造的復興をはじめ、循環型農業や食材、地場産業、芸術文化など、これら兵庫五国の地域に根差した取り組みには、SDGs達成への多くのヒントが秘められていることを説明、「万博は兵庫の取り組みを世界に発信するチャンス。『Our Field, Our SDGs(私たちのフィールド、私たちのSDGs)』をテーマにフィールドパビリオンを展開し、地域の活動現場そのものを発信する。未来を担う子どもたち自らも発信してほしい。内外への発信だけでなく、我々県民がそのことを知って、取り組み、兵庫県をもっともっと好きになることにつなげたい」と目的を語り、SDGs体験型地域プログラムを募集していることを紹介した。
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兵庫五国のSDGsへのチャレンジを内外に発信 空飛ぶクルマの展示も
この後、齋藤知事らを交えたパネルディスカッションでは、検討会議座長の石川路子・甲南大学学長補佐が「フィールドパビリオンは、一過性ではなく、新たなスタートとしての継続性を重視したうえで検討している。パビリオンは建物の中に集うイメージだが、建物はなく地域に来てもらう斬新で画期的な試み。一人ひとりが担い手になってもらうことが軸。SDGsは社会課題の解決に一人ひとりがアクションを起こすことが目的であり、フィールドパビリオンも県民それぞれができる役割を担ってほしい」と協力を求めた。
平櫛武・キタイ設計㈱事業開発本部グループリーダーは、「兵庫県には様々な活躍の場があり、ビジネスにもなる。そのようなフィールドや、プレーヤーを見いだし発信したい。行政はそのサポートを」、上村敏之・関西学院大学経済学部教授は「大阪と違う兵庫の打ち出し方が重要。チャレンジする県であることを標榜し、兵庫ブランド確立を」と期待を述べた。
また、 アイガモ農法に取り組む新温泉町の谷口正友さん、三木市の地盤産業・金物を製作・販売し、海外からも見学者が訪れる田中一之刃物製作所の田中誠貴さんが日ごろの活動を報告。谷口さんは「フィールドパビリオンは、当たり前のことを当たり前に続ける、その人に会いにいく構想になれば」、田中さんは「体験することで覚える。海外の方が国に帰ってからも兵庫のことを思い出すフィールドパビリオンにしたい。微力ながらも懸命に取り組みたい」と訴えた。
齋藤知事は「兵庫県を再発見、再評価、再認識することがテーマの一つ。万博後も県民みんなが自信をもって兵庫県を盛り上げる機運を高める」と語り、「フィールドパビリオン自体がチャレンジ。齋藤県政として、やらなければならない使命感をもっている。挑戦する兵庫をつくり、広げたい」と意欲を示した。
最後にコーディネーターの橋爪紳也・大阪公立大学研究推進機構特別教授が「『Our・私たち』と思うことが大事。みんなで熱意をもって盛り上げよう」と呼びかけた。