• 専門学校生と知事が学生未来会議  若者と齋藤知事が兵庫県の課題や将来像などについて意見を交わす「学生未来会議」が3月6日午後、神戸市中央区の神戸国際調理製菓専門学校で開かれた。
     若い世代の自由な発想による意見・提案を県政に反映させるため、令和3年度から実施している。これまでに関西学院大学、甲南大学、神戸大学のキャンパスを齋藤知事が訪問し、「働き・住みやすい兵庫の未来」「県内経済の活性化」など様々なテーマで意見交換した。県庁インターンシップ参加の学生とも県庁南側の県公館で行った。その中での意見・提案は、できる限り県施策や長期計画等に反映させることにしており、令和4年度は「おためし企業体験事業」などで生かされた。
     5回目の今回は、多様な専門分野で学ぶ県内の専門学校13校の学生31人が参加した。「兵庫で夢を叶える。」がテーマで、将来、兵庫県で働き自己実現を図る上での課題や解決に向けた取り組みを提案し、知事と意見交換した。
  • 県内就職、保育・介護の環境充実などで提案  各校の意見・提案、齋藤知事の回答は次の通り。
    ①神戸電子専門学校「クリエイターが働きやすいまちづくり」
     齋藤知事「学生とクリエイティブ系の企業とマッチングの機会を増やすなど、クリエイターをめざす若者を支援する」
    ②専門学校トヨタ神戸自動車大学校「気軽に悩みの相談、カウンセリングができる環境づくり」
     齋藤知事「相談窓口に早めに相談できる取り組みを充実させる」
    ③専門学校日本工科大学校「給付型の奨学金支援制度の創設」
     齋藤知事「令和5年度は奨学金支援制度を充実し、就職後5年間は返済の本人負担をゼロにする」
    ④関西保育福祉専門学校「保育士の配置基準の見直しなど環境改善」
     齋藤知事「サポートしてきたが、これからもしっかり取り組む」
    ⑤神戸総合医療専門学校「地域格差の解消のつながる医療施設へのアクセス改善」
     齋藤知事「アクセス状況を調べ検討する。公立病院への送迎バスの運行などもポイントの一つ」
  • 多世代・異業種交流でアイデアも ⑥神戸リハビリテーション福祉専門学校「介護職不足への対応」
     齋藤知事「離職者を減らす対策や、外国人介護人材の確保も必要。深刻な問題であり、対応を検討する」
    ⑦姫路福祉保育専門学校「保育士資格を持つ人が幼稚園で働ける制度の創設」
     齋藤知事「保育士と幼稚園教諭の2つの資格をとることは大変。現在の特例制度の延長も含め対応を国に要請したい。県としても考えていきたい」
    ⑧尼崎理容美容専門学校「専門学校生同士の交流の場づくり」
     齋藤知事「異業種交流で新しいものが生まれる。今日のような機会などを増やしたい」
    ⑨大原簿記専門学校神戸校「県への転入超過策として住民税の減税」
     齋藤知事「難しい提案。減税のリスクは大きい。検討することに挑戦したい。いろんな意味で財源を増やす視点と、限られた財源で効率的に事業を進めることが重要。がんばりたい」
    ⑩神戸国際調理製菓専門学校「県版ミシュランガイドの発行」
     齋藤知事「飲食店を兵庫の素晴らしい食材も含めて発信することが大事。改めて考えたい」
  • ⑪神戸女子洋裁専門学校「地元企業の情報発信」
     齋藤知事「地元企業と若者とのマッチングは以前からの課題。AIの活用など手法を検討したい」
    ⑫神戸ファッション専門学校「若者が集まるおしゃれで楽しい場所づくり」
     齋藤知事「行政でやるのがいいか、民間でやる仕組みをつくるか、考えたい」
    ⑬神戸ブレーメン動物専門学校「高齢者施設と学校、ショッピングセンターなど若者が集まる施設との併設による多世代の交流促進。ペット同伴が可能な公共施設を増やす」
     齋藤知事「高齢者が経験を伝えたいニーズもあり、若者や我々が経験を知ることも大事。交流機会の拡大は大切なテーマ。公共施設へのペット同伴はチャレンジングな課題。幅広く検討する」

     また、学生からは「様々な職種でこのような機会を増やしてほしい」との意見があり、齋藤知事は「多様な意見を知ることで、自分の取り組みが広がる。縦だけでなく、横のつながり、いろんな分野の連携、つなげる施策を進めたい」と応じた。最後に齋藤知事は「提案、意見の中に、県の政策のチャンスやヒントになること、やるべき課題が沢山あった。これからも県のため、社会のため、そして、まず自分の幸せのために、がんばって」と激励した。