• 初代兵庫県庁館が開館 歴史を学び、ふるさと愛を育む交流拠点  3年前・2018年の兵庫県政150周年を機に構想が動き出した初代県庁舎の復元施設と兵庫県の歴史や魅力を学ぶ2施設からなる「兵庫県立兵庫津ミュージアム」。古代から近代まで貿易で栄え、初代県庁があった神戸市兵庫区中之島の兵庫津で整備が進められているが、まず、初代県庁館が完成し、11月3日、開館記念式典が開かれた。隣接する博物館施設「ひょうごはじまり館」は令和4年度下期の開館を予定している。
     初代県庁館は、現存する絵図等に基づき時代考証を行い、歴史空間を体感する施設として 復元。庁舎として使用された建物や知事執務室、同心屋敷などをはじめ、初代知事の伊藤俊介(博文)らが登場する兵庫県はじまりの物語のバーチャル体験などもできる。
     式典で、齋藤知事は「兵庫津の魅力をしっかり発信し、国内外から多くの人に訪れてもらえるようにしたい。県と神戸市との交流拠点としても育み、民間とも連携して賑わいづくりを進める」と訴えた。
     神戸市の久元市長は、「この地域から、日本外交、近代日本がスタートした。これからも兵庫が日本の名誉ある地位を築いていく思いを県と市で共有したい。全国から沢山の人に訪れてもらえるよう、周辺の整備、賑わいづくりに最大限努める」と県とのさるなる連携を強調した。
     県議会の藤本百男議長は、「初代県庁館とともに、ひょうごはじまり館がオープンすれば、五国の魅力を発信する一大拠点になる。県内の小・中学生が必ず一度は訪れる仕組みをつくれば、ふるさと兵庫に愛着を一層感じるはず。議会としても全力で応援する」と活用策を提案し、期待を寄せた。
     歴史家の田辺眞人名誉館長は、兵庫津の歴史を解説し、「県外の方には観光の対象に、県内の方は、ふるさとを感じる拠点になる。私としては県全体を対象にした兵庫学検定を是非やりたいと思っている」とこれからの「夢」を語った。
     式典後の午後から一般公開を開始、早速多くの人が訪れていた。入館無料で、休館日は毎週月曜日となっている。
     来年度オープンする「ひょうごはじまり館」は、歴史ミュージアム機能をもった県のPR施設として整備。千年を超える歴史を誇る港・兵庫津の歴史、独自の過程をたどった県成立の歴史、変化・多様性に富む兵庫五国の魅力を展示・紹介、体験してもらう。