• 斎藤知事就任あいさつ  8月2日午前10時から、県庁1号館中庭で開かれた就任式での斎藤知事のあいさつは次の通り。

     斎藤知事 「第53代の兵庫県知事に就任いたしました。大きな責任感、緊張感をもって、これからしっかりと対応していきます。今回の選挙で県民の方々から大きな負託をいただきました。井戸県政も素晴らしい県政を推進されました。阪神・淡路大震災からの復興をはじめ、難しい課題の舵取りをされました。一方で県民の皆さんから県内各地でこれからの新しい時代、そしてコロナによって社会が大きく変わっていく中で、新しい県政をつくってほしいという思いを感じました。県政を新しいものにしていきたいと思っています。兵庫県は優秀な職員の方ばかりだと思っています。一緒になって兵庫県をより良いものにしていきましょう。
     まず、我々が立ち向かっていくことはコロナへの対応です。第5波の真っ只中です。昨日、庁内連絡会議を開催させていただきましたが、病床の確保、医療提供体制の充実、さらには改めて県民の皆さんに、何度も何度も自粛であったり要請をしていますが、第5波の中で、またお願いをしないといけない、厳しい局面にあります。私を含め県職員の皆さんが真摯に丁寧に、県民の皆さんにお願いお伝えしていくことが大事なので、よろしくお願いいたします。今、流行の中心になっている20代、30代の若い世代については、けして若い世代が悪い、社会の中で悪者にするのではなく、現実として若い世代に感染者が増えている現実がありますので、全世代が一緒になっていく中で20代、30代の方にお願いしていく。特にこれからお盆がありますので、外でバーベキューをやりたい気持ちは分かるんですけれども、社会全体のことを考えるとガマンをして、家でゆっくりと過ごしていただきたい、そのことをしっかりと私自らが発信をしていくことが重要ですので、ぜひ皆さん同意をしておいてください。
     そして、コロナを乗り越えた後、私たちが立ち向かっていかなければならないことが山積しています。これからの社会、本当に難しい時代だと思っています。コロナで傷ついた経済をどう立て直すか、そして少子高齢化の問題、兵庫県は人口流出が多いとされています。産業振興、農林水産業の振興などさまざまなことをやっていかなければならない、何よりも県民の皆さんの命と暮らしをコロナから守らなければいけないし、乗り越えた後の新しい兵庫県でもしっかりとお支えしていくことが大切です。私は約20年間公務員人生をやってきました。新潟県の佐渡島であったり、宮城県の震災復興も経験しました。やはり兵庫県は広く多様な地域があります。そんなどこの地域に住んでおられても、どんな状況にあっても誰ひとり諦めさせない。そして誰ひとり取り残さない。そういった大きな温かい県政をやっていきますので、よろしくお願いいたします。
     難しい時代になりますが、一緒にやっていけば時代に立ち向かっていけると確信しています。
  • 一日一日が勝負  お願いしたいことが3つあります。一つは、県民の皆さんにとって身近な知事、近い知事でありたいと思っています。県民一人ひとりの声をできるだけ聞いて県政に反映させていく、県民ボトムアップ型の県政をやっていきたいと思っています。その意味で県職員の皆さんも県民の皆さんにしっかり寄り添って、丁寧に声を聞いていただいて、それをどうすれば解決できるのか、寄り添えるのかということを、一人ひとりが考えていただきたいと思っています。
     2点目は、これからの時代、財政も厳しくなり、さまざまな難しい社会課題が出てきます。そういった時には、公だけで解決できる時代ではありません。やはり行政と、行政以外のNPOであったり、民間企業であったり、さまざまなプレーヤーの皆さんとしっかり連携して仕事を前に進めていきたい。そのためには一人ひとりが県庁外のさまざまなネットワークを積極的につくっていただいて、さまざまな知恵やアイデアをどんどん取り入れられる、そのようなオープンな組織運営をしていただきたいと思っています。
     3つ目は、県民ボトムアップ型県政を進める中で、私自身、皆さんの声をしっかり聞いてやっていきたいと思っています。新しい県政を進めていきますが、自信をもってやっていただきたいと思っています。荒木副知事をはじめ、私と一緒にやっていただきたい。県職員の皆さんと私がマッチングしてやっていきたいと思います。新県政推進室も立ち上げます。これは対立を生むものでは決してなく、今回、20年ぶりの大きな県政の交代の時ですから、一定の推進力を出すために立ち上げるものです。大事なのは、県民の皆さん、職員の皆さんと一緒になって兵庫県を良くしていくこと。職員の皆さんの大きな知恵をいただきたい。私はまだまだ経験が足りないことを自覚しています。知事は万能ではないということです。やはり皆さんと一緒になってやっていくことが重要です。トップダウン型で知事に全てをお伺いする雰囲気もあったかもしれませんが、これから働き方をどんどん変えて、長時間のレクとかをなくし、会議をできるだけ短くしていきます。その空いた時間、隙間時間で、よりクリエイティブなことをやっていただきたい、そして県民の皆さんにもっと寄り添った仕事をやっていただきたいという趣旨です。その意味でボトムアップ型県政を進めていきますので、県民の皆さん、職員の皆さん、自分自身がどうすればいいのか、一人ひとりが自立して考えていく、そんな仕事の進め方をやっていただきたいと思います。もちろん全ての責任は私がとります。失敗を恐れず、どんどん挑戦していただきたいと思います。責任は必ず私がとります。
     これから難しい時代、困難な局面を迎えることになります。荒木副知事をはじめ、県職員の皆さん、繰り返しになりますが、一緒にやっていきましょう。そして、この兵庫県をどんどんもっと前に進めましょう。しかし、丁寧な行政運営をやります。皆さんの声をしっかり聞いて県政を一歩いっぽ進めていきます。これから一日一日、一歩いっぽが勝負になりますが、よろしくお願いいたします。ありがとうございました」